2010年11月3日水曜日

最小限。

2週間前に見学(入院病棟。参照)にいって以来、病院にいるときは毎日通っている入院病棟。

私には約束があるからだ。


ハエの量や血の量などに面食らってしまい、やっとのことで笑顔を作り挨拶した見学の日。


足のやけどで両スネの骨が半分見えている人。(以下、メリーおばちゃんA)

糖尿病で両足を切断した人。(以下、メリーおばちゃんB)

次の日に思い切って話しかけに行ったら、当たり前だが普通のおばちゃんたちだった。

日常の中の入院患者と物珍しく見ている訪問者では、解り合うことがないのも無理はない。


ベッドが隣同士の2人のメリー。

ケニアでは同じ名前の人がいっぱいいる。

メリーに関していえば、このおばちゃんたちはケニアで出会った7人目と8人目のメリーである。


私たちのいつもの最初のやりとり。

私 「メリー!調子どう?手術の日決まった?」

A 「まだ!5ヶ月待ってるけど、まだ。笑」

私 「まだか~。きっと、明日になってもまだよね。笑」 

私 「メリー!調子どう?退院の日決まった?」

B 「まだ!誰も教えてくれないから、まだ。笑」

私 「まだか~。きっと、明日になってもまだよね。笑」

私 「念のため、明日も確かめに来るわ。笑」

ここからは、その日によって色々。

A&B「MIHARUは今週末何するの?」

私 「ナイロビいってくる。」

A&B「楽しんで、また話聞かせてよね。」

私「もちろん。2人は何かする?」

A&B「ベッドの上で生きるわ。笑」

私 「だよね。じゃ、ベッドで待ってて。笑」

などなど。

私 「ほなまた~。」

という感じ。


今日は、昨日約束したカメラを持っていったため2人はいつもより小奇麗にしていた。

皮膚の移植手術待つこと5ヶ月、メリーおばちゃんA。


写真のために着替えた!メリーおばちゃんB。

私の骨をちゃんと撮るのよ!って本当に言ってました。

5ヶ月間、消毒液のしみこんだガーゼを貼り付けているだけなのに、人体は新鮮に保たれるものだなぁ、と感心しながらいつもやけどの脚を見ている。
皮膚の移植手術が無事終わったら、もう一枚撮って見比べてみようということで私たちは手術を楽しみにしているのだ。

ところで、いつ手術が行われるのだろうか。



入院病棟に毎日行っていると患者の入れ替わりが激しいことに気づく。

2週間、ずっと入院している患者はこの2人のメリーくらいだ。

ベッドをシェアしていると思えば、次の日にはガラガラになることもある。

お金もないし、すぐに退院させられる。



自然治癒力に任せたケニアの最小限の医療。

自力で生きていくしかない。

自力がなくなったときが、死ぬとき。

わかりやすいな。



日本では最大限の医療。

死ぬときを決めるのは?



どちらも、一概に良いとも悪いともいえない


両国の医療事情。





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