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2010年9月18日土曜日

HIV/AIDS。

私が登録している日本のHIVコミュニティサイトには、自分の最近の無防備な(コンドームを使わない)性行為からHIVに感染してしまったんではないかという不安や後悔、HIV検査の結果が陽性だったがどうすればいいか?などの相談が毎日のように書き込まれている。

「日本では1日に約4人がHIVに感染している」
「日本は先進国の中で唯一、新規HIV感染者が増加し続けている」

いまいちピンとこない、この文句。
そう思うのも、無理はない。

HIV検査にいったこともないし、HIVなんて他人事。
そう思うのも、無理はない。

HIV検査率自体低すぎるのでこれも氷山の一角だろうが、
報告されている日本のHIV感染者率は人口の0.01%以下である。

20~30代では異性間性行為で感染者が増えている事実があっても
日本の感染者の95%は男性同性愛者だと知ったら
なおさら他人事だと思う人が大部分だろう。

今から29年前の1981年。
世界で初めてエイズの発症が確認された。
今から27年前の1983年。
その原因となるHIVウィルスが発見された。

そして現在、世界で報告されているエイズによる累計死者数=約25,000,000人。
昨年度報告された世界の現時点でのHIV感染者数=約33,400,000人(推定)。

保健の教科書に記載されているこの内容。

より一層ピンとこない、のも無理はないだろう。

それが日本に住んでいる私たちの感覚だ。

しかし、

世界中のHIV感染者の3分の2が住むサハラ以南アフリカ地域の
ケニアという国の小さな町の病院のHIVケアセンターにいるとどうだろう。

毎日入れ替わるHIV陽性者を約50人前後見ていると
この人たちの体内に棲みつくHIVウィルスというのは、
本当に30年前に地球上に存在しなかったウィルスなのか?

という疑問がフツフツと湧いてくる。

それほど日常的にHIVが存在する世界が目の前にある。
短時間でのここまでの世界的な感染拡大を誰が予測できただろうか。

そして、あまりにもHIVに対して無関心な日本の現在の姿が重なる。

予測できなかったからこそ多くの死者を出し、各国の平均寿命を縮め、自国の発展に危機感を感じるまでに至った。
完全に対策が遅れた!と気づいたところで、ようやく始まったエイズ予防教育。

ケニアにいると、子供から大人までのHIVに関する知識の高さと
3ヶ月ごとにHIV検査をするという若者の意識の高さに驚く。
遅い。だったら何でもっと早く手を打たなかったのか?という想いも湧いてくる。

しかし、ここにきてそれがようやく実を結び出して、
いまやアフリカのエイズ患者とHIV感染者数は少しずつではあるが確実に減少してきている。
年々増加し続けている日本とは違って。

ケニアでは約10人に1人が陽性者。
世界で一番感染率の高い国スワジランドでは約3~4人に1人が陽性者。

身近になったからこそ、政府が動き、人々が関心を持ち、教育が行き届いた。

日本は何ができるだろうか。
まだまだ身近でない今、何ができるだろうか。

身近でない中で、政府は動かない。

身近でない中で、人々に関心を持たせ、教育を行き届かせる。
ここに、何とかして迫りたい。

感染したら必ず知る、HIVの正しい知識。
感染したら考える、愛する恋人や家族のこと。
感染したら気づく、自分の命の尊さ。
感染したら感じる、健康の大切さ。

自分でなくても、身近な人が感染したら見えてくること・・・。

教育とは「感染する前に」自分のこととして捉えさせること。

そんな教育には、どんな工夫が必要か。
ケニアにいることで日本に何ができるか。
ケニアにいたことで日本で何ができるか。

これからも、とことん考えていきたいと思う。

そして、このブログをみてくれている私にとってとても大切な皆さんに。

多くの先生方やお医者さんや教え子や親になる人なった人、愛する家族や恋人がいる人、感染率の高いアフリカ・アジア地域に派遣されている協力隊仲間たち。
周囲に影響力のある人は私が知っているだけでもたくさんおられます。
これをきっかけに一人でも多くの人にあなたの感じたことを伝えていただけたらと思います。

HIVは感染力の弱いウィルス!
正しい知識と行動で必ず予防できる感染症!

小さいけれど、
確実な一歩であることを信じて。

では、皆様よい週末を!

2 件のコメント:

加藤マリ さんのコメント...

Kazi mzuri sana~
Asante~

Miharu Shimizu さんのコメント...

マリさん

コメント、ASANTE!!

さて私たちに出来ること!
共にがんばろな^^