2010年9月25日土曜日

マイパートナー。

朝一番。
私の仕事場は赴任以来の定位置となっている「血圧測定係」。
というより、「Dr.ギトンガの横」といったほうが適切かもしれない。

というのも、このスーパーキャラDr.ギトンガのパートナーとして
私はもはや欠かすことの出来ない存在となっているからだ。
悪口と思わないでいただきたいのだが、私の日常であることには間違いなく、既にこのマイパートナーには深い愛着と哀愁を感じる存在であるのであえて述べることにする。

この最年長のおっちゃんDr.ギトンガの動きは「志村けんのじい様コントか!」と、
思わず突っ込みを入れたくなるほど動作がままならず、全てが超スローなのだ。
任地訪問で初めてDr.ギトンガが採血をしているのを見学したときは超衝撃を受けた。
上の説明と採血をあわせて想像していただきたい・・・。
一体いつまで患者の腕に注射針が刺さり続けるのだろうか・・・、ということと、
床に落ちた患者の血液が流れていく先を注意深くじ~っと見守っていた私。

赴任前にこの診療所の改善点として「患者の待ち時間を減らす」が挙げられていたが、このDr.ギトンガが全ての混雑を引き起こしているのではないのか?!と思わず疑ってしまうような存在なのだ。(現実には原因は他にある。詳細はまた、追々と・・・。)
ゆえに、私とDr.ギトンガはいつも2人3脚で「血圧測定」の作業を行うことになっている。

Dr.ギトンガは紙をめくりながら文字を書くという作業が同時に出来ない。
なので私の役割は、患者を待合室から呼び、イスに座らせ腕を出させ、血圧をはかり、次の身体測定へ運ぶという基本の仕事に加えて、Dr.ギトンガが毎回文字を書く動作だけに集中できるように徹底的にこだわって、カルテの紙をめくって記入が終わるまで持ち上げ、終わったら閉じてその横に置き、次のカルテをすかさず手元に滑り込ませるという作業も担当する。
まるで餅をつく人と、こねる人のような息の合ったコンビネーションの繰り返しである。

私がタイミング悪く席をはずし他の部屋で仕事をしていると
遠くから「み~は~る~!!」とDr.ギトンガが呼ぶ声がする。
不思議と日本語に聞こえてしまうくらい愛着があるこの声。
まるで、母親が「ご飯の時間やで~。」と呼ぶ声に
わかった~今行くって~!」と答えるような感覚で
いつも「はいは~い!」と日本語で答えて待ってもらう。

この瞬間、私は確実に必要とされているな。と感じると同時に、
失礼ながら、
はるばるこのおっちゃんの補助をしに来たのか~と感じてしまうこともある。
そして、このままで終わっちゃいかん!と、強く思う。

しかし、最速で「血圧測定」の仕事を終えた後に2人でゆっくりと雑談する時間は好きだ。
マイパートナーは日本にも私にも本当に興味をもってくれて、私のつたないスワヒリ語と英語のどんな話もいつも最後まで楽しんで聞いて、色んな質問をしてくれる。
マイパートナーの前では恐れずにどんな話もしてみようという気になる。
本当にありがたい存在なのである。

毎朝のスタート時、「ギトンガ!準備はいい?!」と聞く私に、ゆっくりイスに座り定位置にボールペンをかざしてから発せられるギトンガの「準備OKだ!行くぞ!!」という言葉と、それに引き続き「オー!」と2人でやたら大きな声で気合いを入れて調子付いている瞬間が結構好きである。


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