2010年8月23日月曜日

MIHARU JAPAN。

いよいよ、待ちに待った初勤務日。
8月23日月曜日!
気合を入れるべく、この先もう2度と着ることはないだろうと思っていた
エンブレム付きの「JOCVジャケット」を身にまとい初出勤した。

今日も朝から混雑しているCCC。
≪Comprehensive(包括的)
  Care(ケア)
  Center(センター)の略≫
私が働くことになるこのCCC施設は、県立病院の敷地内にある。

このCCC施設ではHIV・AIDSに関わる、受付、カウンセリング、HIV診断簡易テスト、診察、小児HIVケア、栄養指導、家族計画指導、処方箋などの全てのケアが行われる。
HIVは一旦治療が始まってしまえば無料に出される薬をしっかり飲み続けることで元気に過ごすことができる。いわば、糖尿病などの生活習慣病のような位置づけである。
そのため雰囲気は決していいわけではないが、他の病棟の外来患者と比較しても、本当に調子の悪そうな人は少ないように見える。
とにかく笑顔で元気に攻め込もうと決めていたので、
まるで学校にいるかのごとく「おはよう!」「調子はどう?」と、
目の前にいる患者たちに声を掛けまくってみた。

すると皆顔をあげて、患者ではあるが「Nzuri .(好調です!)」と形式的に返してくれる。
英語で言うところの「I'm fine.」、
関西弁でいうところの「ボチボチでんなぁ。」みたいなところである。

当たり前のことではあるが、こっちが笑顔であれば相手も笑顔。
しかも「あなたの笑顔は最高に素敵だわ!」と
知らないおばちゃまに褒められてしまったため、初日からひとり勝手に勢いづく私。

本日の業務は任地訪問の時にも何でも懇切丁寧に教えてくれたおっちゃん医師に導かれ、血圧の測定、受付のファイル準備、処方せんの作成など、なんやかんやと手伝わせてもらった。

そして本日、挨拶以外にもうひとつ連発した重要ワードが、
「Jijunge!(お大事に)」。

日本の医療現場では当たり前に聞くこの言葉だか、ケニアにはその習慣がない。
そのため言われる患者よりも、一緒にいる医師や看護士のほうがびっくりしていたが、
この言葉も患者を笑顔にする力を十分持っている。

検査の関係で午前に患者が集中するため、
2時過ぎからは完全に業務終了時刻5時を待つ体制になる。

この間は世話してくれたおっちゃん医師の暇つぶしの話相手になり
このCCCに関する様々な情報を得る。
話はケニアと日本のことにもおよび、このおっちゃんの知る日本は、お金持ちとハイテクノロジーというより他に原爆が落された唯一の国ということであった。
他のケニア人にも同じく、広島・長崎の知名度は東京と同等かそれ以上に高い。

ところで、私のカウンターパート(色々お世話してくれる担当者)は、
この記念すべき私の初出勤日に遅刻!ではなく、
なんと無断欠勤で一日姿を見ることはなかった。
(どの人にもよくあることらしく周りの人も全く気にしていない様子)

そのため本日は多くの人に関わってもらい親交を深めた。
その度に、一度に覚えられない顔と名前をノートに書き込み、携帯番号の交換をする。
とにかくケニア人はすぐに携帯番号を教えたがる。

彼らの携帯に登録してもらった私の名前は「MIHARU JAPAN」

この小さな町で、私は日本代表である。

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