さて5日間のナイロビ滞在を終え、昨日無事にナイバシャに帰ってきた。
ナイロビのドミトリーも十分のんびり出来るのだが、ナイバシャに帰ると自分の本拠地だという安心感がある。
そういう意味でも、先輩隊員になったことを実感するひととき。
ナイロビに到着した次の日は予定通り、アフリカバレー選手権を制し、10月29日から日本で開催されるワールドカップの出場権を得た「ケニア女子代表チーム」の練習を見学に行った。
このチームの監督を務めるのは我ら協力隊のシニアボランティア、入澤監督である。
午前中にスパルタの部分練習をすると聞いて、「ならば午前中に是非!」ということで激励にいった。
一言でいえば、「感動」だった。
「手首を使うんじゃなく、ストレートに振り抜け!
足の置き方はこうで、ステップはこうだ。やってみろ。
出来た!やるじゃないか~(^^)!!」
白熱すればするほど、体育館中に響き渡る日本語でのコーチング。
その入澤監督の言葉ひとつひとつを感じ取った周囲の選手が、
指導を受けている1人の選手に口々にスワヒリ語で伝える。
十分通じている。
「考えるんじゃない、感じるんだ。」という、世界。
もっと上手く、もっと強くなりたい。と思う選手達と
その最短距離を行こうとするケニア代表監督。
実に気持ちのいい空間がそこにあった。
全身バネの様な選手の肉体。
特にヒップからハムストリングの筋肉の盛り上がり方は芸術品の域。
バレーの練習特有のリズミカルなボールの配球にピタリと合った選手のスパイク・レシーブ、
そして甲高い発声、その息の合った絶妙な掛け合いに胸が熱くなる。
スポーツは国境も言語も越える。偉大だ。
入澤さんにとってその日の練習は、明日に代表選手発表を残した最後の本格練習。
気の入りようも半端ではなかったはず。
しかし、だからといって特別なことをするのではなく、今までやってきた通常練習の中で、自分が先に帰国することでしばらく会えない選手達に、本番までに直して欲しい細かい部分を繰り返し指導されていたように思う。
一層熱の入る指導に、自分が顧問だったバスケ部の最後の練習を思い出し、さらに胸が熱くなった。
この入澤監督、見るからに鬼監督という言葉がしっくりくる監督である。
日本の実業団、高校バレー界で長い監督経験をもっている入澤監督が、今回のケニア女子チーム指導から学んだこと、それは「笑顔」。
ベテラン監督が自らケニアバレーに「学んだ」と言われたことにも凄さを感じた。
“「今日、元気ないの?」って、選手から言われたことがあってね。初めてのことでびっくりしたよ。”
“「笑う」ということを、この子達から教えてもらった。今では練習でとても大切な要素になってる。”
笑いながら気さくに話してくださる入澤監督。
そして、私たちにはこんな言葉を下さった。
「活動に遠慮はいらない。
やってみたいこと全てやればいい。
みんなは何やったっていいんだ。
言葉が通じなくったってやればいい。
文句いわれたって、失敗したって、JICAや勤務先に嫌われたって、
たかが2年。
2年間で終わる。
帰国する時に自分で編集した素晴らしいDVDに満足して終わるために
協力隊やってるんじゃないんだ。
絶対に遠慮しちゃダメだぞ。」
ありがとう。入澤監督。
皆さんも今度のW杯、是非ケニア女子代表チームの応援を!
ケニアチームの全ての練習ボールにはマジックで
「KENYA」ではなく「JICA」の文字。
日本チームより、とはいわないが、
某アイドルグループの歌と踊りよりは注目していただきたい!
頑張れ!ケニア女子!
2 件のコメント:
絶対ケニアを応援させてもらいます。
入澤監督のたかが2年。
いい言葉だね!
でも,されど2年だもんね。
私も頑張ろうっと!
サリ!コメントありがとう!
ベテラン監督なのに、「学んだ」って感じるところがまたすごいな~って思ったよ。
そして、国境も言語も越えるスポーツの偉大さにも改めて気付かされた。
日本の学校は学園祭も終わる頃かな?
お互い離れているけど、頑張るで~!!ほなまた!
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