2010年7月22日木曜日

任地訪問3日目。

朝、宿舎から走って15分、高地トレーニングにはいい環境だ。
少し汗をかき、病院に昨日約束した8時半に到着した。

そして、そこには誰もいなかった。
聞いていた通り、これがケニアンタイムか・・・。

日本は死者が出るほどの猛暑と聞いているが、この日のナイバシャの気温は16~18度。
ナイロビよりも少し標高が高く寒い。汗が引き体が冷え始めたころに事務所の人たちがやってきた。
時計は9時過ぎ。みんなジャケットやセーターを羽織っている。
私は頼みのヒートテックにポロシャツで、みんなからとても心配された。

今日はナイバシャ県内の小さな病院をまわるというものに一日同行した。
他の機関(USAID)の職員も合同の事業で、3か月ごとに抜き打ちで施設を2時間ほど要しチェックし、改善点や運営状態、HIVに関する患者の検査結果を集計し、今後どうすべきかを含めて全員で話し合うというものだった。
患者はどの病院にもあふれている。
しかし、私たちが尋ねると医者の1~2人しかいない診療所は診察をストップし、案内や説明を最優先にする。
これが縦社会を重んじるということなのか、とても違和感があった。

この日は施設を4つまわった。
一行はトヨタのランドクルーザーで颯爽と赤土のデコボコ道を猛スピードで各施設に向かう。
車で30分近く何もない景色が続き、ぽつりと病院と学校が見えてくるという感じで自分が住む町とは違い、いつか本で読んだような「一日かけて病院に歩いてきました。」という世界が現実にあった。
サファリでは遠くでしか見られなかったシマウマやガゼルも車のすぐ横で群れをなしている。
ここはケニアだと実感するには十分な環境だった。
   

私が所属するのは県の機関で、他の施設の問題点を的確に指摘していき、改善を提案し、時に励ましたりもする意識の高い集団だった。
訪問先には、使用後のハサミやゴム手袋が放ってあったり、薬品が棚の中で散乱していたり、信じがたい状況も目の当たりにし、訪問先の関係者との間に意識の温度差があることを実感した。





明日は昼の1時にナイロビに向けて出発することを告げると、集合時間は8時に繰り上がった。
色んな施設で見た、芝生に寝っ転がった患者の映像が頭から離れることなく、本日は眠りに就いた。



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