2011年11月18日金曜日

スラムの学校。


本日は予定通り2校、
ナイバシャ内のプライマリースクールをハシゴした。

まず朝8時からHIV/AIDSの授業をしたのは、
大きなスラム街にある生徒約700名の学校。
授業した7年生(中学1年生)の90名の生徒たちは
何かと積極的に答えてくれる生徒たちで、
授業も色んな盛り上がりを見せた。

学校によって全く違う反応を見られるのが面白い。










音楽の音量が小さく
少々困惑している場面









そして、VCT(HIV検査)で陽性とわかった人たちが泣いたり、感じたりすることなど、
病院で働いているからこそ知りえたことを紹介する場面は、毎回教室がシーンとなる。
知識としてよく知っているVCTも、生徒にとっては未知の世界。

また、自分の人生設計をやらせると、多くのケニアの子供たちは40~50歳あたりで
「親の面倒を見る」という項目を記入してくる。

「親のことも、自分の人生の一部としてちゃんと考えてるんやなぁ。」って、いつもそれに感心する。

以前、日本に研修に行ったことのある看護婦長が日本の病院見学で驚いたことのひとつに、

「入院生活をしている高齢者の世話を高齢者や看護師がやっていて、彼らの子供の世代を見かけなかったのが不思議だった。

 この人たちの子供たちは何をしているんだろうと思った。」

と話してくれたことを思い出した。

その理由は「仕事で忙しいから。」と答えたいところだが、

「生活の中の(人生の?)優先順位の違い」というのが大前提にあるのかもしれない。

日本の40代は働き盛りで、親も元気だというイメージがある。

そして年代などには関係なく、日本の生徒に聞くと、この項目は出てこないだろうなと毎回感じる。


“価値観の違い”として片付けていいものなのか。同じ人間として。

日本の高校生からのメッセージに
みんな群がって興味津々。
そして、今日はなんとついでに体育の授業も1時間担当することになった。

広い運動場で色んなことを適当にやってみたが、つかみの部分でやった空手風エクササイズが大変好評で、
これが後々大変なことに・・・。


東高体操という難解な体操の紹介に生徒は激しくこんがらがり、馬とびをさせたらスカートの女子たちが
引っかかって転倒しまくるわで、みんな笑い転げていた。
見る人が見れば、大惨事・・・・。しかし、ここはケニアということで・・・。

東高体操、ケニア上陸。
どの部分の体操してるか、わかりますよね 笑
人間知恵の輪。

そして、帰り際に校長室で色んな話を聞かせてもらった。

このスラムにある学校では今学期中(3ヶ月間)だけでもレイプの被害に遭った女子生徒が4名。
生徒たちが登校する朝6時半のまだ薄暗い時間帯が一番危険だということだった。

朝から被害に遭った女子は泣きながら登校し、警察に届けた後はまた普段の学校生活に戻る。
先生からこっそり教えてもらった被害者の児童たちは小学校4年生らしく小さな少女たちだった。
みんな元気に休み時間を過ごしていた。

そして、このスラムでは昨日少女を家に連れ込んでレイプをして、殺害して血を飲んでいたという吸血鬼の男が逮捕されたらしく、町で誰に聞いてもみんなその事件を知っていた。

「理解をはるかに超えとるがな・・・。」と絶句していると、

「MIHARU、今度はあなたの空手を使って、
 護身術を女子生徒に教えに来てちょうだい。」

と、真顔で学校長にお願いされた。横で他の先生たちもうなずいている。

学校長(奥の女性)がくれた小鳥の木彫り。
妙に気に入ってしまった。

やばい
「日本人=空手の名人」に加え、「体育教師=かなりの腕前」という勝手なイメージの結果だろう。
3週間で行かなくなってしまったテコンドー教室の後悔がかなり重くのしかかる。

小柄で腕力もない少女たちに「とにかく逃げる!!」を超える護身術があるとすれば、
やはり古武術あたりを紐解くしか方法はないか・・、などと素人考えを巡らすも、教えられる根拠も自信も責任も全く無い。
しかし「毎学期、平均3名のレイプ被害」と聞いてしまった以上、何もしないよりはマシかと思い、
次のタームにも行くことになった。


さてさて、武術の心得のある皆様方、情報、実技講習等ありましたら、是非お願いいたします。

今日はさらにここからマタツで30分の学校にも行ったのだが、護身術のオーダーが入ったというところで、
今日はおしまい。明日も8時から!



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