2011年9月23日金曜日

母子感染予防。

さて、どうしたもんか、活動へのモチベーションが上がらない。
手を変え品を変え色々試みるのだが、いまいち乗り切らないここ一ヶ月。

自分自身の怠慢だといってしまえばそれまで。

誰かのためになる。何かの役に立つ。ということの実感が活動の中でつかめない。
決してそれらを差し置いて前には進めず、自己満足こそ出来ない毎日が続いている。
モチベーションを上げようとすること自体が間違いなのだけど・・・。

ということで、何かしらの突破口をこじ開けようと、今週は以前から気になっていたPMTCT(Prevension of Mother to Child Transmission : 母子感染予防)の部屋に入り浸り、妊産婦検診のお母さんと共にブリーフィングを受けたりしていた。
こういう時、自身に妊婦の経験がないため、日本との比較が出来ないという残念さがある。

さて、ここで働いている看護師さんは以前からよく知っているとにかく明るく、勢いのあるおばちゃんたち。大好きな人たちである。実際に現場に入ってみてチャキチャキと仕事をこなす姿を見てやはりすごいと思わされた。

ケニアでは一回目の妊産婦検診時にどのお母さんにもHIV検査が行われる。
毎日平均15~20名前後の妊婦が初診にやってきて、スケジュール通りに進んでいく。
ここで陽性と判明するとPMTCTプログラムに登録され、生まれてくる赤ちゃんへのHIV感染を予防する治療が始まる。
HIV陽性の子供の大多数は母親の胎内で感染するか、分娩時、授乳時に感染する。

一切治療を受けなかった場合、HIVに感染する確率は3割
しっかり治療を受け薬を飲み続けた場合、
     感染率をゼロに近づけることは可能になってきている。

このたった数ヶ月で、生まれてくる自分の子供がHIVと共に生きるか、そうでないかが決まる。
これまで感染した幼児、感染した生徒をいっぱい見てきた。

何としても、ここで踏ん張って欲しい。

しかし、この病院には母親自身以外にもたくさんの関門がある。

朝早くから妊産婦検診と今後の説明をたっぷり受けて、一斉にHIV検査を受けて結果がわかるのが13時過ぎ。
そして、そこから50Mほど歩いたところに陽性者を迎え入れる次の施設がある。

この50Mで離脱する妊婦もいる。

そして、行き着く次の施設というのが、なんと私のよく知っているCCC(HIV/AIDS包括的センター)。
13時とは・・・、確か皆ランチにいっていない魔の時間帯である。
運が悪ければ15時過ぎまで、医者が戻ってこない施設。何かとてつもなく責任を感じる・・・。

昨年もここで、ひたすら静かに待ち続ける妊婦さんたち、怒っているPMTCTの看護師さんたちをいっぱい見た。

ここで離脱する妊婦がいる。

今度はPMTCTの立場から、CCCの改善に取り組もうと思う。


HIVと共に生きる子どもの90%近くは、
 サハラ以南のアフリカに暮らしています。



世界では毎日1,200人近くの子どもがHIVに感染しています


(2010年2月 UNICEF:ユニセフHPより)

そう、私は今ここにいるのだから。

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