底値は20シリング(約25円程度)から、
高値なら3000シリング(約3800円程度)まで。
これらは年代モノなので、好みで選べます。
12年ものから40年前後のものまで。
さて、何の説明でしょう?
正解は、
ナイバシャで買われる女の値段。
SEXを仕事にするセックスワーカーと呼ばれる女の値段である。
えっ!?25円!?うそやろ!?
12歳って!?
と、絶句した。
安いから買おう。
高いから買わないでおこう。
という次元のものかどうかは、私にはわからない。
今日の夜9時。
いつもなら、しっかり鍵をかけて家の中にいる時間帯。
しかし、今夜はその夜会を開くということでエスタと共に夜の街に出向いた。
ガヤガヤと集団下校のような雰囲気でストリートチルドレン達が飲み屋の前を通り過ぎる。
どこで話を聞きつけたのか、バーの前に立つエスタに次々と女性が集まってくる。
彼女たちが、私達が今夜会う目的にしているセックスワーカー達だ。
結構キラキラしたお姉ちゃんたちを勝手に想像してたけど、
お世辞にも磨かれているとはいえない。
おしゃれも出来てない。
これで客商売がなりたつのか?
この人たちの体が売り物になるのか?
というのが正直な感想だった。
よく見るとすごく若いのもいるなぁ。と気付く。
なんというか、若さをウリにしている感じがない。
彼女たちに英語はまったく通じない。
スワヒリも全く使わない。
この地域に多い民族のキクユ語のみで会話がなされる。
最終的に25人のセックスワーカーが集合し、明かりのない奥まった場所へ移動した。
エスタは彼女達に懇々と話しかける。
その時間たった15分。
そうして、私には意味など全く理解できないまま夜会は終わった。
ケニア最大のフラワーファームがあるナイバシャには仕事を求めて多くの女性が集まる。
そして多くの女性が路頭に迷う。
そうなったとき、自分の身ひとつで稼げる方法で生きていくしかない。
男に買われる。
コンドームを使うことを客が嫌がるならしょうがない。
HIVに感染しようがしまいが、知ったこっちゃない。
彼女たちは、明日を生きるための金が必要なんだから。
そのうちの一人が「家政婦として雇ってくれない?」と話しかけて来た。
ケニアでは本当によくあることだ。
そして、そうかと思えば、あっという間にみんな夜の街に消えていった。
あの女性達は、今夜も誰かに買われることができたのだろうか。
買う人がいるから彼女たちの商売が成り立つ。
それは紛れもない事実である。
エスタの話では、ナイバシャには約900人のセックスワーカーがいるらしい。
病院の中では、触れられない世界。
暗闇で出会った、言葉も理解できない、たった25人だったけど、
実際に接したことで感じたことがいっぱいある。
今までに本で読んだ通りの世界が目の前にあったのだけど、
この雰囲気までは本から掴むことは出来ないんだな。と深く感じた夜だった。
解決策は、彼女たちが職に就くこと?
セックスワーカーの需要がなくなること?
彼女たちが自分のステイタス(HIV陽性か陰性か)を知ることの意味とは?
一時的ではなく長期的な、現実的な解決策が必要となる。
これもHIV/AIDSを取り巻く問題の一端に過ぎない。
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