2011年2月23日水曜日

スラムへ。

今日はナイバシャにあるスラム、通称KCCにいってきた。

Health Campが開催されている情報をキャッチし付いて行ったら、
以前一緒にアウトリーチに行ったことのあるうちの病院のスタッフがそこで活動していた。

最近は病院の外で活動することが多い。
興味の赴くままに色んな団体との接触を持っているが、
巡り巡って行き着いた違う施設で、改めて知っている人に出会うことも多くなってきている。
少しずつ活動の焦点が絞れてきている兆候だといいのだけれど。

今回のCampは簡単にいうとスラムへの出張診療所。
結構大きな規模で海外のボランティアや寄付により、治療から薬まで全て無料で振舞われていた。

その中で、若者の男性に向けてHIV/AIDSについてのヘルストークが行われていた。
学校に行っていない若者も多くいるスラムで、正しいHIVの知識を伝える目的で行われている。
今回は主にコンドームのつけ方を、バナナとコンドームを使って学習するというものだった。

ヘルストークの様子


コンドームの使い方を説明するUKボランティア



使う気ゼロの彼ら、半分は英語が通じない














完全に面白半分で参加している彼らに、
「実際今までにコンドームを使ったことあるの?」と聞いたところ、
「俺は今まで一回も使ったことないね。」という、非常に想像通りのコメントだった。

「それよりあんた、次のSEXでコンドーム使う気あるの?」と聞いたところ、
「使うわけない。俺はコンドーム使うの嫌いなんだ。」という、これもまた非常に想像通りのコメントだった。

ディスカッションの中で、「なぜHIVネガティブ同士なのにコンドームを使う必要があるんだ!?」
と少々怒り気味の発言もあり、これが現実なんだなとしみじみ感じた。

約7.4%のHIV感染率を示しているケニア。
約0.1%以下という日本の状況で無関心なのとは、またわけが違う。

教育が必要。それに尽きる。
しかし、教育が浸透するためにはその基盤となる教養が必要であることも実感した。

こいつらによって、またやる気が掻き立てられた。

指導者のケニア人が連呼していた言葉、

「 あなたの彼女も彼氏も、妻も夫も、家族でさえも、決して信じてはいけません。

  信じられるのは自分自身のみ!あなた自身のみ!

  自分のためにコンドームを必ず使うのですよ。 」 と・・・。


彼らは自分の人生というものをどう捉えているのだろうか。
日本なら「人生80年」のところを、何年間と見積もるのだろうか。

わざわざ海外から肌の色の違う人間がケニアのHIV予防教育をしにやってきている。
この状況は、彼らにどう映っているだろうか。
彼らの行動変容には、何が効果的か。
せめて、彼らの選択肢の中に「コンドームを使う」を入れたい。

彼らがつい真似したくなるような方法は何か。
何かセクシーでクールでスタイリッシュな方法はないものか。

スラムの住居

テレビのアンテナが伸びる家もちらほら

お手製のサッカーボール


兄弟の子守をしている子供を多く見かける

 
絶叫の予防接種


体重測定

医者の出した処方箋にしたがって、薬が支給される
本日最も多かったのは、上気道感染症の症状。
うちで調べてみると「かぜ」のことだった。

カーテンで囲われたVCTテント
この中で、HIV検査が出来る


受付に並ぶスラムの住民たち


診察や遊びに来ている子供たち


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