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2011年5月28日土曜日

孤独。

今回の旅の中でザンビアにいるエイズ対策同期隊員の活動に1日同行させてもらった。

彼女の活動内容は配属されている地域で活動する在宅訪問診療ケアサービスグループの巡回。

その日はその中で最も活発に活動しているグループを見学させてもらうことができた。

事務所に挨拶にいくと、その敷地内にはマッシュルームの菌床栽培のための立派な冷暗室が並んでいた。自分たちで活動資金を得るIGA(収入向上)として、マッシュルームの栽培・販売によりしっかり運営されている。
5年前にアメリカの支援団体により設営され2年間の技術指導を経て今に至るということだった。
育成期間別に3棟のハウスが並ぶ

とっても立派
購買層は近くの観光施設だろうか

培養した菌を詰める作業中のメンバー達

これだけ現地のグループメンバーだけでしっかり運営されているところをみると、初期段階での十分な設備・資金・人材・技術力の投資の重要性を感じたし、その反対に中途半端な支援ほど現地の人々を混乱させるものはないと痛く感じた。

その地域には徒歩15分圏内に所狭しと住宅が立ち並んでいる。

行く先々で交流が生まれる
イモ虫に興味津々のケニア隊



路上ではたくさんの人々が井戸端会議を楽しんでいてグループメンバーとも顔見知りで、
まさに地域に根ざした活動という気がした。

問診と健康チェック











血圧を測る



結核の自己ケアの方法を説明するザンビア同期

今回訪問した中の1件は、結核の治療を自ら中断してしまったがために歩くのも困難な若い男性だった。

結核と共に他の病気も併発していると予測される男性には、その場で翌日病院へ運搬する手配がされた。
(無料の自転車タクシーを使用するとのこと)

この体制には、とても感心させられた。










 この様に訪問診療ケアといえば「病院に通うことが出来ない重病患者の自宅を訪問する活動」だと思っていた。

しかし、その日新規登録した一人暮らしの70代の男性からはまた別の需要があったように感じた。

他と比べても大きな家に住み、見た目はとても元気に年を重ねているように見える男性。


聞き取りの序盤は健康に関する不安を少し口にしたものの、話のほとんどは妻に先立たれた後に常に襲ってくる孤独感だった。

「話し相手が欲しい。」
「人と関わりたい。」

子供は2人いて、結婚して孫もいるが同居はしていない。
頻繁に会うこともない。

毎日読書をして、TVを見て、ようやく一日を終える。

一歩外に出れば、たくさんの人々がおしゃべりを楽しんでいるのに。


塀をひとつ隔てて存在する大きな孤独。


「定期的にグループメンバーが自分を訪ねてくれる。」
「他人との約束がある」 

このことが、この男性にとっては大きな救いになるのだろう。


日本と変わらない。

人との関わり方は、人生を豊かにも貧しくもする。

2 件のコメント:

ゆうこ さんのコメント...

美春ちゃん、HBC(在宅ケア)訪問時のブログアップ、どうもありがとう。~『人と人がつながっていく心強さ、そして、温かさ』~

Miharu Shimizu さんのコメント...

>ゆうこりん!
こちらこそ、本当にありがとう☆
いつもでブログで読んでるHBCの活動を
実際に見せてもらって本当に感謝しています。
確実に一歩ずつ進んでるゆうこりん見て
自分の活動を見つめなおすいいキッカケもなりました。
お互いがんばろうね☆